「ノンケミカル」だから安全とは限らない? 本当に肌に優しい日焼け止めの選び方 後編

前編はコチラから
たとえ日焼け止めのパッケージには「ノンケミカル」と書かれていても、「ケミカルな成分が無配合」の製品とは限らない━━この事実は、未だ消費者の耳に届いていません。今回は、「ノンケミカル」を強調した自然派志向の日焼け止めの安全性について、 株式会社ルバンシュ 代表取締役の千田 和弘(せんだ かずひろ)さんに検証してもらいました。

目次
「ナチュラルな日焼け止め」の主成分を解析してわかる驚きの結果!
本当に安全で肌に優しい日焼け止めの選び方


株式会社ルバンシュ 代表取締役の千田 和弘(せんだ かずひろ)さん

 

「ナチュラルな日焼け止め」の主成分を解析してわかる驚きの結果!

(以下、澤) :先日ドラッグストアで、登山用にSPF値の高い紫外線吸収剤フリーの、「敏感肌にも使える日焼け止め」と書かれた『○○ベビーミルク』という日焼け止めを購入しました。

試しに使ってみたのですが、室内にいたにもかかわらず、肌に塗布して数時間経つと頬が熱くピリピリしてきたんです。

慌てて顔を洗いましたが、そのときには「肌の弱い自分だから刺激を感じた(他の人なら使用しても平気だろう)」と、肌トラブルの原因を商品ではなく自分の肌質にあると捉えていました。

でも前回の話をお聞きして、もしかしたら日焼け止めに肌への負担となる強い成分が入っていたのかもしれない、と考えが及びまして。千田社長、実際のところ市販の日焼け止めには、どんな成分が配合されているのか教えてもらえますか。

千田 和弘さん(以下、千田) :そんなご体験があったのですね。そのような時には迷わずメーカーさんに問い合わせて、そのメーカーがどんな対応をするのかで企業姿勢を見ることも大切なポイントです。おそらく、防腐剤などにケミカル成分を使っていると思います。

(「ノンケミカル」「90%食品成分」と謳われた市販の2つの日焼け止めを見せながら)
この前私も自社製品を扱うお店に行きまして、「よく売れている日焼け止めはどれですか」と尋ねたら、ショップの方がこれらを出してこられたんです。

店員さんいわく「ルバンシュさんに言うのはなんですけど、食品成分が90パーセントと書かれているので、こちらがダントツで売れています」だそうで。

 :このキャッチコピーのつけ方が上手いですね。買う側は、ものすごく良いものだと感じます。

千田 :そうですよね。でも、100パーセント天然由来成分から作られた製品と、90パーセント食品成分のものとでは、私のなかでは雲泥の差があるんですよ。

というのは、自然の成分以外の、安全性の低いものも含む成分を10パーセントも使っていいとなると、どんな技術者もカンタンに製品を作れるからです。

(製品の後ろに記載されている成分表示を指しながら)
この表示を見ると、水・PGの次の、上から3番目に石油系化合物のメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(紫外線吸収剤)が書かれていますよね。

 :はい。つまり、日焼け止めの全成分中で石油系の、それも紫外線吸収剤が3番目に多く使われている原料となりますね。自然派の化粧品でこれはおかしい

千田 :たぶんメトキシケイヒ酸エチルヘキシルを8パーセントくらい使っているのではないかと思われます。この成分は透明な液体ですから、透明感を残して紫外線カット効果も上げられます。こちらの製品はナチュラルが売りなのに、実は主成分のほとんどがケミカルな成分です。

 :10パーセント配合と聞くと、とても僅かに感じますが、化粧品の配合における10パーセントとは、素人の想像する以上の分量なのですね。盲点というか……、全くその点には気づきませんでした。

千田 :90パーセントには、水も含まれていますからね。水も含んだ成分90パーセントと、水を含まない成分10パーセントを並べると、水の含有量ゼロの方を主成分とみなす考え方もできるんです。

ちなみにPGもメトキシケイヒ酸エチルヘキシルも、旧表示指定成分に該当しており、体質によってはアレルギーなどの皮膚トラブルを起こす恐れのある石油系成分でもあります。

 :危険な成分が配合されていたら、紫外線吸収剤不使用で「90%食品成分」であっても、かえって肌への毒性は高いかもしれませんね。目に入りやすい情報だけが全てではないのだと、真実を知って怖くなりました。

 :私も肌荒れした日焼け止めを購入したときには、パッケージの裏面をよく読まずに製品を選んでいたので……反省です。

 

本当に安全で肌に優しい日焼け止めの選び方

 :化粧品会社側の巧みな戦略に対して、私たち消費者はどう自己防衛をすべきでしょうか?

千田 :製品の表面に書かれた情報だけを鵜呑みにしてコスメを購入すると間違うので、まずは成分表示のチェックをすることですね。メーカーは消費者に、表面だけを見て買って欲しいので、消費者はとにかく裏側を読む癖をつける。

今は便利な時代ですから、スマホでも成分を検索できます。ちなみに表記されている成分の上から5番目くらいまでを調べると良いでしょうね。

表示成分を調べるのに、私たちメーカーが実際に使っている非常に便利なサイトがありますのでご紹介します。

『Cosmetic-info.jp』https://www.cosmetic-info.jp/jcln/search.php/

 :ありがとうございます。自分でも検索はできますが、それ以前に検索先の情報が正しいかどうかは判別不可能なので、サイトをご紹介いただけると助かります。

千田 :メーカーや個人の方のサイトには、偏った情報が掲載されているケースもありますからね。中立的な立場で書かれたこのサイトはお勧めです。

少々専門的ではありますが、技術者が使うサイトとはどんなものであるのか知っておいて損はないと思います。

 :本当ですね。化粧品メーカーの提唱する心地良いイメージに流されて、思考停止のまま日焼け止めを買うのは、もうおしまいにします。

千田 :日焼け止めは、化粧品のなかで一番ケミカルな成分の入りやすい製品です。
うがった見方をすれば、化粧品メーカー側は自社製品を、あたかも「石油系成分を使っていない日焼け止めであるかのように」見せかけている。ある意味、消費者を誤魔化そうとしているとでもいいますか。

ですから、ナチュラルな製品を探したいのであれば尚更、成分表示の確認は必須といえるでしょう。

 :コスメ全般にも通じることですが、私たちは化粧品を購入する前に、成分を調べるひと手間を惜しまないようにしたいですね。
千田社長、最後に化粧品ユーザーへのメッセージをお願いします。

千田 :皮膚が老化していく一番の原因は、<光老化>です。<光老化>とは、紫外線を浴び続けることによって起きる老化現象です。

ですから、日焼け止め商品は、皮膚の老化予防はもちろん、皮膚がんの予防にもつながるとても大切なアイテムです。

商品のPOP広告や容器の表面に記載されている文言に騙されないよう、これからは、ぜひ容器や箱の裏面に記載されている成分をチェックする癖をつけていただくと、商品の本質に迫ることができますよ♪

 :ありがとうございました。

(おわり)


“オーガニック植物成分”と“天然由来成分100%”の日焼け止めクリーム
ルバンシュ モイストUVクリーム
紫外線吸収剤は無配合、日焼け止め特有の臭気もカット。ノンシリコン&天然由来成分オンリーなのに、みずみずしいクリームがなめらかに伸びて透明感ある仕上がりに。


皮膚科医と共同開発した日焼け止めスティック。
ルバンシュ エポカル UVプロテクト
皮膚科医(再生未来クリニック院長・市橋正光先生[神戸大学名誉教授、医学博士])に技術指導をいただいた天然由来成分100%の子供用の日焼け止め商品です。口に入ることも考慮し、食用成分をベースにしました。


 

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