基礎化粧品に白い粉末顔料が配合されている?!その理由は?

食品表示ラベルの原材料名を確認してから、食材を購入する・しないを決める消費者が増えています。けれども化粧品については、表記成分をよく読まずに購入する場合も、あるのではないでしょうか。株式会社ルバンシュ 代表取締役の千田 和弘(せんだ かずひろ)さんに、ライター澤あきこ(さわ あきこ)が、意外な成分の配合された化粧品の存在する理由をお聞きしました。

目次
基礎化粧品に配合される意外な成分とは
酸化チタンやマイカをクリームに配合する理由
スキンケアの原点に立ち返った製品作りとは


株式会社ルバンシュ 代表取締役の千田 和弘(せんだ かずひろ)さん

基礎化粧品に配合される意外な成分とは

(以下、澤) :前回「シャンプーなどで耳にする『ボタニカル』とは? 」で、コスメの成分名と表記の順番を確かめる大切さを学びましたが、実行してみると難しいですね。

何行も並んだ馴染みのないカタカナの成分を眺めても、私は天然・石油系の区別すらできませんでした。肌に良いかどうか判断する以前の問題です。

千田 和弘さん(以下、千田) :化粧品の成分表示は、主にパッケージに記載されていますが、小さなパッケージが多く、そのサイズに合わせ細かい字で成分名が記載されています。読むだけでも大変ですよね。

たぶん澤さんだけではなくて、一般の化粧品ユーザーのなかにも、中身を知らないままコスメを買い求める方がいらっしゃるでしょう。

そして、化粧品メーカー側も、細かい成分チェックなしで製品の購入に踏みきる消費者心理を知ったうえで、石油系成分などを配合したコスメを販売しています。

それはシャンプーや洗顔料など、洗い流す用途のものだけに限らず、肌を整えるための基礎化粧品でも同じです。

なかには、高級保湿クリームに、石油系の界面活性剤や防腐剤とも異なる、皆さんの思いがけない成分を配合した製品もあるんです。

 :予想もつかない成分とは、一体何でしょうか?

千田 :ファンデーションなどに使用する、UVカット効果のある酸化チタンやマイカです。水にも油にも溶けない、これらの白い粉末を配合している場合があります。

酸化チタンやマイカをクリームに配合する理由

 :スキンケアの最後で肌に塗るクリームに、なぜメイクに使われるものが入っているんですか?

千田 :それには、高級クリームに見合った肌への効果、「即効性」を求める消費者と、お客様の要望に迅速に応えようとする化粧品メーカー双方の思惑が絡んでいます。

やはり、皆さん高額な製品を買われたら、それなりの効果を期待されませんか?

 :自分なら「高いクリームを買ったんだから、お手入れに励もう」と、気合いが入りますね。使用前・使用後の、鏡に映る自分の顔を観察したりして。

もし肌に変化がなかったら、期待が大きいぶん、がっかりすると思います。

千田 :メーカー側は、女性達の高級クリームにかける想いを熟知しています。そこで彼らは、クリームを塗った直後から、目に見えて違いの現れる成分を配合するのです。

酸化チタンやマイカは、2つの働きで肌の見た目を改善してくれます。

ひとつはシワの軽減で、これら白い粉末が肌のくぼみ(=シワ)に入りこむことで、塗った直後でもシワを浅く目立たなくします

もうひとつは、視覚効果です。体質顔料であるマイカは、主にメイクではパール剤として配合します。ラテン語でmicare(輝くの意)を由来とするこの原料は、キラキラ輝く視覚効果で、シワを目立たなくしたり、肌を明るく見せたりできるんです。

 :ちょっと待ってください。理論には納得しましたが、このやり方では、肌自体はケアする前と同じです。アンチエイジング・美白効果を得られたわけではなく、一時的に美肌が出現している状態ですよね。

千田 :そうです。外側だけを取りつくろっている、といえるでしょうね。

スキンケアの原点に立ち返った製品作りとは

千田 :ここでスキンケアの意味を、あらためて考えてみましょう。

スキンケアとは、ファンデーションや口紅などのメイクを落とした(あるいは朝洗顔した)後に、素肌をすこやかに保つ成分配合の基礎化粧品で肌をお手入れする行為です。本来は、肌へ根本的に働きかけるアプローチなのです。

それなのに、一部の化粧品メーカーが、メイクの原料と同じ成分の入ったクリームを使って、あたかも肌の悩みが改善したかのように見せる手法をとっている。

何だか、おかしな話ですよね。

 :「美肌」を求める女性たちの願いに化粧品会社の出した結論が、「(消費者は)どうせ成分表示なんて気にしない、すぐに効果を実感できる顔料を配合しよう」であるとしたら。ひとりのユーザーとして悲しくなりました。

とはいえ、私たちにも高額なアイテムであるほど「肌の違い」を早急に求める傾向があります。メーカーの責任だけを追及してよいのか……難しいですね。

千田 :いろいろな見解があるでしょうね。それでも、消費者の求める美しさは同じであると僕は思います。

皆さん、「肌の内側から美しくなりたい」と望んでいるのではないでしょうか。

コスメの原料の進化や有効成分の開発が進んだいま、それら有効成分を適切に配合した化粧品でお手入れすることにより、年齢に関係なく肌の内側から変わることはできます。

化粧品ユーザーの願いを裏切らない製品作りを、私たちは心がけていきたいものです。


天然由来成分・食用成分で肌にハリ、つや、潤いを
ルバンシュスキンケア【初回限定】お試しトライアルセット
毎日のスキンケアだからこそより安全に、安心できるものを。じっくり14日間トライアルセット。1980円。


関連記事

  1. 基礎化粧品の主役クリームの正しい選び方

  2. 化粧品に石油系原料が配合される理由、消費者があまり知らない「3年ルール」

  3. 「ノンケミカル」だから安全とは限らない? 本当に肌に優しい日焼け止めの選び方 前編

  4. 本物の美肌を目指して心がけたいこと。皮膚科医関先生に聞きました。(後編)

  5. 知っているようでしらない医療レーザー治療。皮膚科医関先生に聞きました。(中編)

  6. 無添加化粧品における防腐剤の抜け道「キャリーオーバー」

  7. 植物本来の持つ「洗う」力をシャンプーに

  8. 本物の自然派化粧品は容器の色で確認できる?

  9. 化粧品かぶれの意外な原因、経皮感作(けいひかんさ)とは? 皮膚科医関先生に聞きました。(前編)

カテゴリー

最近の記事

  1. 自然に生かされてコミュニティを創造する~山中温泉「かよう亭」上口代表インタビュー…
  2. 「ノンケミカル」だから安全とは限らない? 本当に肌に優しい日焼け止めの選び方 後…
  3. 「ノンケミカル」だから安全とは限らない? 本当に肌に優しい日焼け止めの選び方 前…
  4. 人と里山の未来をはぐくむ~ 農業は「自由」
  5. 本物の自然派化粧品は容器の色で確認できる?

人気記事

PAGE TOP