本物の自然派化粧品は容器の色で確認できる?

巷にあふれる「天然」「オーガニック」「自然派」をうたった化粧品の中から、どうすれば天然原料を多く含む「これだ」と信頼できる製品を見つけだすか。成分表示を読みこむなどの作業には、意外と労力がかかります。ライター澤あきこ(さわ・あきこ)株式会社ルバンシュ 代表取締役の千田 和弘(せんだ かずひろ)さんに、パッと見ただけで本物の自然派化粧品であるかどうかを見抜ける、画期的な方法を教えてもらいました。

目次
本物の自然派化粧品かどうかは容器を見れば判断できる
天然原料は肌と同じ、紫外線が大敵
なぜ透明な化粧品の容器が好まれるのか、その理由とは?

本物の自然派化粧品かどうかは容器を見れば判断できる


株式会社ルバンシュ 代表取締役の千田 和弘(せんだ かずひろ)さん

澤(以下、澤) : 前回クリームのお話をお聞きして、自分の場合は天然原料主体の、石油系防腐剤無添加でシンプルな製品が好きだと再確認しました。
ゆくゆくは基礎化粧品の全てを、ナチュラルなもので揃えたいと考えています。

千田社長、化粧品の成分表示を確認する以外にも、天然・自然をうたうコスメの中から「本物の自然派化粧品」を見極めるコツがあれば教えてもらえますか?

千田 和弘さん(以下、千田) : それでは、製品を手に取らなくても「天然原料が入っている・いない」がわかる方法をお教えしますね。化粧品の容器の色が何色であるかで、おおよそ中身の見当がつくんです

結論から申しますと、無色透明・クリアな容器に入っている化粧品には、「オーガニック」や「天然」の成分は、ほとんど使われていません

 :「天然、オーガニック」をアピールしているコスメでも、配合されていないのですか?

千田 :もし使われているとしても、化粧品全成分のなかでごく僅かでしょうね。

 : なぜ透明な容器を用いた製品には、天然成分がごく少量しか含まれていないと外側だけで判断できるんでしょうか?

千田 : それには、天然原料の持つ性質が関係しています。

天然原料は肌と同じ、紫外線が大敵

千田 :人間の肌の老化の原因の約8割が、紫外線による光老化であるように、天然原料も紫外線の影響を受けて劣化(酸化)します。天然原料は、その性質において肌と同じなんですね。

 :直射日光にそのまま当たるとお肌にダメージが生じるように、化粧品に配合された天然成分も、紫外線に影響されて劣化するんですね。

人間の場合には、日焼け止めクリームで肌表面の防御は可能ですが、コスメとなると、どうやって紫外線から中身を守るんでしょう?

千田 :ここで、容器の色が重要になるんです。

たとえばシリコンのような石油系化合物由来のオイルは、直接紫外線を浴びても色も匂いも、ほぼ変わりませんが、ホホバ油などの天然の油は、紫外線によって酸化してしまいます

食用のオリーブオイルを例にあげると、大抵のオリーブオイルは濃いグリーンや茶色の瓶に入って売られていませんか?

 :はい、品質の優れたものは、必ず色つきのボトルに入っています。

千田 :それはなぜかと言うと、紫外線や蛍光灯など、あらゆる「光」からオイルを守り、品質を保つためなんです。

化粧品の場合も同じです。光を通しにくい、遮光性の高い濃い色の容器を用いれば紫外線を遮れます。

ですから、品質保持の点から考えると、天然原料を多く配合した化粧品であるにもかかわらず無色透明な容器で販売する、それ自体が、ありえないといえるんですね

 :なるほど。だから、クリアな容器を眺めただけで、主な成分が石油系化合物のコスメだと見破れるんですね。

そういえば、ルバンシュの基礎化粧品のボトルには色がついていますね。
私はお話を伺うまで、ボトルの色は会社の「テーマカラー」なのかなと軽く考えていましたが、天然原料の品質を保持するための色つき容器だったのですね。

千田 :そうですね。当社の基礎化粧品シリーズの容器は、全部遮光性に優れた色つきの容器を採用しています

その他の製品も、遮光性に加えて用途に合わせたエアレス容器(酸化を防ぐために空気と触れない工夫がされている)の採用などにより、天然原料の品質保持に努めています。


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なぜ透明な化粧品の容器が好まれるのか、その理由とは?

 :ところで、市販の化粧品を頭に思い浮かべると、「ボタニカル○○」などナチュラル感を売りものにした製品の大半が、無色の容器で販売されているように思えるのですが。たまたま、似たような白っぽいテイストなのでしょうか?

千田 :それは偶然ではないでしょう。化粧品メーカー側が、好んで透明でクリアな容器を選択している傾向があるからです。その理由は、主に以下の2つとなります。

まずひとつは、コスト削減のためです。

販売する側のメリットとして、無色の容器は1000個(本)程から購入できるため、化粧品の資材コストを抑えられます。

一方、色つきや遮光性を高めた容器の場合には、最低5000から1万個を自社で購入しなければならず、容器の仕入れコストが増大します。化粧品製造に新たに参入したメーカーにとっては、クリアな容器を入れ物に採用する方がコスト面で助かるんです。

もうひとつは、消費者に与える化粧品の「見た目」の印象操作のためです。

何色にも染まっていない白を連想させる無色透明でクリアな容器には、清潔なイメージがあります。ナチュラル・自然を売りものにする場合にはなおさら、見た目に綺麗な透明感のある容器が使われることが多くなります。

おそらく予算かイメージ、そのどちらかの理由から、無色透明の容器が広く普及していると考えられるでしょうね。

皆さんには、容器に込められた化粧品会社の想いを読み取れるようになっていただきたいと個人的に思います。

 :お話を聞く度に痛感しますが、私たち消費者はつい思考停止状態に陥って、化粧品の本質を見極めることなく、付加価値や「イメージ」に惑わされてしまいがちです。

今回教えてくださった「容器の色で天然原料が入っているかどうか」を見分ける方法も駆使して、本物を見抜く力を磨いていきたいです。貴重なアドバイスをありがとうございました。


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