基礎化粧品の主役クリームの正しい選び方

安すぎても不安だし、かといって高すぎるものには手がでない……。基礎化粧品を代表するクリームを選ぶときに、何を基準に選べばよいのかとまどう女性は私だけではないと思います。ライター澤あきこ(さわ・あきこ)が株式会社ルバンシュ 代表取締役の千田 和弘(せんだ かずひろ)さんに、販売者の視点にたった「クリームの選び方」を教えてもらいました。

目次
クリームの歴史~それは化粧品メーカーの策略にすぎない
「クリームなら高くてもしかたがない……」という消費者心理
クリーム本来の役割を省みる、「わたし」に合うクリームってどんなもの?

クリームの歴史~それは化粧品メーカーの策略にすぎない


株式会社ルバンシュ 代表取締役の千田 和弘(せんだ かずひろ)さん

澤(以下、澤) :皮膚科医の関先生からお話を聞いて、毎日の継続した肌のお手入れが大切だと実感しました。

今までは化粧水の後にオイルを塗るくらいでしたが、これからはクリームでのお手入れもおこないたいと考えています。でも、あまりにも種類が豊富で、どれを選んでいいのか迷います。

千田 和弘さん(以下、千田) :各化粧品会社の基礎化粧品シリーズのラインナップには何種類ものクリームが並んでいるので、どれが自分の肌に合うかを判断するのは難しいと思いますよ。

「エモリエントクリーム」「バニシングクリーム」「ナリシングクリーム」など、様々に名づけられたクリームが、メーカーごとにありますからね。

でも呼び名こそ違えども、それらの成分は、ほとんど変わらないんです。

 :えっ、そうだったんですか!

千田 :化粧品メーカーは、製造する全製品のなかでクリームが最も利益率の高い製品であることが多いと考えています。だから、どのメーカーも製品名を変える、付加価値をつけるなどの工夫をしてクリームを売ろうと目論みます。

それぞれに異なる名称の多様なクリームは、そんなメーカーの販売戦略から生まれたんです。

 :販売する側の都合で、ほぼ同じ中身のものが別物として販売されていたとは驚きです。

千田 :もちろん、すべてがそうではありません。「マッサージクリーム」のような肌をマッサージするためのクリームや「日焼け止めクリーム」など、用途や効能をきちんと定めた製品も存在します。

 :他にも、「日光に当たると悪影響が出る成分が含まれているため夜だけ使用してください」など使用上の注意をうながす商品もありますよね。このような場合には、朝用・夜用と区別してもやむを得ないのかなと感じますが。

千田 :おそらく、光毒性(ひかりどくせい ※肌に塗った状態で紫外線に当たると皮膚にダメージを与える作用)を心配されての質問ですね。

こちらに関しては、クリームの上に日焼け止めやファンデーションを重ねる方が多いでしょうから、それ程問題が生じないと思われます。

そもそも、肌に害を与える可能性のある成分は、安全性を考慮した濃度で配合されます。ですから過度に神経質にならなくてもいいのではと個人的には考えています。

 :そうなると、必ずしも何個もクリームを揃えなくても大丈夫そうですね。

「クリームなら高くてもしかたがない……」という消費者心理

 :あと「どのくらいの価格のクリームを選べば良いのか」も検討がつきません。クリームの値段の価格差は大きいですよね。

千田 :クリームには、1000円以下から10万円を超えるレベルまで、かなり価格の幅がありますからね。この価格設定も、実は私たちメーカー側が、原価とは無関係に自分たちで決めています。

たとえば化粧水に1万円を払うのは高すぎると敬遠しても、クリームなら仕方ないと思いませんか?

 :はい。化粧水の適性価格はせいぜい数千円、でもクリームなら1万円でも、購入するかどうかは別として「高いけれど、それくらいはするかも」と受け入れてしまいます。

千田 :その消費者心理につけ込んで、各化粧品会社は(高額)クリームを販売しているんです。

 :私たちは、化粧品会社の意図した「クリームの適正価格」に従わされているといえますね。

千田 :リッチな気分を味わいたいお客様は、豪華な容器の高額商品を手にするだけで気分が高揚します。肌のお手入れの最後に用いるクリームは、女性にとって精神的な満足感を得る特別なアイテムでもあるので、合理的に割り切れないところもありますね。

 :海外の高級クリームと日本のメーカーのハンドクリームの成分が、ほぼ同じという話を耳にしたこともあります。私は外側のプラスαよりも、中身と金額のバランスが釣り合う、まっとうなクリームと巡りあいたいです。

千田 :それでは、クリームの働きの原点に戻って考えてみましょうか。

クリーム本来の役割を省みる、「わたし」に合うクリームってどんなもの?

千田 :アンチエイジングや美白などいろんな機能性をうたう高機能クリームも出まわっていますが、クリームの主な役割は、肌への油分の補給となります。

 :本来の肌のお手入れとは、天然の保湿因子では足りない分をコスメで補うものでした。肌に油分を補う、それがクリームの基本の使いかたなんですね。

千田 :僕はクリームについては、「(ご自身が使われて)使用感の気にいったものを、ひとつ持てばいい」の持論があります。いくつもクリームを揃えなくても、油分を補うのは、ひとつでこと足りるからです。

そして化粧品を作る側からすると、ある程度値段を高めに設定してもクリームはお客様に受け入れられる製品であるからこそ、不当な価格では販売したくないとも考えています。

 :どんなに良い製品でも、金銭的な負担が大きいと継続的な使用は難しくなりますものね。ちなみにルバンシュのクリームは、おいくらでしたか?

千田 :高価な天然原料にこだわった保湿クリームでも、適正価格の範囲で作れるんだという想いを込めて、当社では3,800円(税抜)で販売しています。

高額である=優れた効能、効果が期待できる、とは言いきれないのが化粧品です。そのあたりを踏まえて皆さんには、それぞれの肌質に合ったクリームを、ぜひ探していただきたいですね。

 :パッケージデザインやイメージ戦略に流されずに、使い心地の良さ優先で、私も自分の適性価格の中から肌に合うクリームをひとつ見つけます!


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